足跡の中を旅してる #002 / Key of Life "But My Love"


Key of Life feat. GAKU from EASTEND - But My Love

ホントになんで売れなかったのかひとっつもわからない、未だにどこからどう聴いてもカンペキすぎる名曲。

Key of lifeは坂本裕介さんを中心としたプロデュースチームで、デビュー作「ASAYAKEの中で」は大阪など一部のラジオ局で局地的にヒットしたのでご存じの方も居られるかもしれないです。

このグループの一番の特徴として「過去の洋邦の名曲をサンプリングしながら全く新しい曲に作り変え、曲ごとに異なるボーカリストやラッパーをフィーチャーし、超高品質なJ-POPを作る」という、今なら決して珍しくはなくても、当時にしてはあまりに新しかったコンセプトに挑戦していたこと。そしてこの曲の下敷きは言うまでもなく、スタイリスティックスの「Can't Give You Anything (But My Love)」。


The Stylistics - Can't Give You Anything (But My Love)

この曲をベースに、印象的なフレーズや歌詞をイントロ・サビ・ブレイクに次々と取り入れつつも全体的にはオリジナルで仕上げて、それを歌うボーカリストは当時Key of Lifeの作品に多く参加されていた森ユキさん、ラッパーは当時ほぼ活動休止中に近い状態だった*1EASTENDのGAKUさん。

懐かしさもあるし新しさもあるし、親しみやすさもあるけど格好いい。古きを知る人には、そのセンスの良い原曲の踏襲に舌を巻くことになるし、当時高校生だった自分みたいな原曲を知らない世代は、この曲を入り口にしてディスコクラシックを掘っていくきっかけにもなる、そこまでの魅力が詰まった曲。

とにかくカンペキな布陣です。そしてカンペキな楽曲。ただ、全然売れなかった。

 

あまりに売れなかったのが不本意だったのか、それとも誰か業界の人には愛されていたのか、数年後にMAXがDA PUMPのISSAさんを迎えてカバーしました*2が、それでも売れなかった。

今からでも全然多くの人に聴かれなおされて欲しいと思うし、とにかく色んな理由があってあまり今までの仕事を評価されたり、振り返られることが多くないGAKUさんの参加曲の中でもバツグンに好きな、自分の中で「カンペキな曲」の見本のような曲。です。

*1:EASTEND×YURIとしての活動は完了しており、GAKU-MCとしてソロで再始動するのも、この曲が出てからまだしばらく後のことになります

*2:これも悪くはなかった、ただオリジナルを超える魅力があったかといえば、…ですが