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NON STYLEっていいと思うんですよねって話

自分はNON STYLEが好きです。すごく好きです。

ライブも毎回足を運んで、出てる番組も全部見て、DVDやグッズも全部買って、って勢いでこそ無いものの、好きな芸人は?って聞かれたら自分は「笑い飯・千鳥・麒麟NON STYLE、その時期のbaseの芸人さんが特に好きです」と答えますし、実際にそうです。

しかし、自分が好きな他の芸人さん、例えば笑い飯や千鳥に対して、人前でも特に衒いもなく「笑い飯とか千鳥とか好きです」と言うのは難しくないのに対して、「NON STYLEも好きです」っていう時の、ちょっと何か一瞬ためらわれるというか、難しい感じ。自分だけでしょうか。

 

自分がNON STYLEのどこに魅力を感じているかを説明するのは、実際ちょっと難しい。

単純にあの2人が主にテレビや賞レースで見せる、超手数型の漫才をしてる時のひたすら心地いいテンポ感や、そこに伴う独特の美学や覚悟のようなもの、けしてボケの重さや世界観の独特さだけが「良い」とされる笑いの価値ではない、という部分に完全に割り切ったモノを持った、自分たちの武器を完全に正しく見定めてそれだけを極めていってる芯の強さも好きだし、逆に劇場のネタ出番の時に見られる、どんなネタでもどれだけでも長くも短くも出来るし、途中で客席で人が席を立ったり、子供が泣き出したりといったハプニングが起きようとも、それもネタに組み込んで笑いにして、けして客席の当人を吊るし上げるような形にせずに自然とネタに戻っていく、変幻自在の漫才力の高さも好きだし。

そういう面でも好きなんですが、特にこの人達のコトを「ああ、自分はこの人達が好きだな」と思った時があって、何年か前の祇園花月での2人のトークライブの時なんですけど。

 

もうどんな話題だったか、詳細に何を話していたかはほとんど覚えてないけど、石田さんがとにかく世の中の色んな事に不満を言っていて、特に自分が後輩や彼女にしていることに対しての相手の反応の悪さ、割の合わなさみたいな部分をグチっていて、それに対して井上さんが「ええやん」「別にそれくらい気にしてんなよ」って感じで全部返していくのが印象的で。

それを見ている時に、自分としては石田さんの言っていること、自分が人に対して何かをした分は、相手にソレについて気づかれて欲しいし、同じくらいの何かで返して欲しいと望んでしまう、そうで無いと不満を感じてしまう、というのにすごく共感するけど、それら全てを「別に(返りがなくても)ええやん」って、何のためらいもなく言い切ってしまえる井上さんのデカさもスゴいな、と感じて。

石田さんは(最近でこそ随分マシになったものの)一時のテレビや劇場でひとりでエピソードトークをする時の尋常じゃないオチの盛り方にしても、コンビでトークをしてる時の言葉の端々にしても、どこかで一歩間違えていたらアウトなんじゃないかってレベルで自分自身も他人の事も本当は全然信じてなんかいないんだろうな、っていう心の闇や余裕の無さを感じる時があって、だからこそウソみたいなオチも平気で言える、そこまで盛らないとウケないだろうという思い込みの偏執的な感じと、そんなオチでも聞き手は騙されて笑うだろうというような、どこか自分の客のレベルさえも信じてないような危うさ、それは芸人さんとしてはシンプルにマイナス点ではあると思うけど、自分にはものすごく他人とは思えない要素を感じて、共感というか「つい、そこまでやってしまう感じ」にどうしようもなく惹かれるものを覚えていて。

そして、そんな相方の横で真逆の存在として、どんな話でも前向きに捉え直して進んでいく、今やテレビの世界だけでなくツイッター上で一般人にまでも、どれだけイジられようと中傷されようとも真っ向から攻撃で返すのでなく笑いに変えていく、どんな時でも一切心の闇のようなものを見せたり武器にしたりせず、ひたすら余裕だけを見せて人から受けた仕打ちや態度に対しての整合性のようなものを一切気にせずに、自分からは明るい影響しか返さないような存在の井上さん。

 

自分がNON STYLEを好きだなと思うのは、そういった両極的な人間性が奇妙なバランスで噛み合って、両方が両方を肯定しながらいいように作用している感じ。それがすごい好きなんだなと思う。

心の余裕のありなしみたいな部分は、その人が今までに人や世界から自分の存在を許されてきた影響、それらによって決まっていくと思っていて。自分自身が許されてきたゆえに「計算合わんでもいいよ」って言える人と、自分自身があまり許されてこなかったゆえに、他人に対しても「計算合わないことが許されるわけない」って思う人と。自分もぜんぜん自分に余裕が無い方だから、余裕の無い人の、余裕が無いゆえにやってしまう失敗や視野の狭さもよくわかるし、それを責めたくないし、でも余裕のある人の人間的なデカさにはホントにただただ憧れるし。

自分はNON STYLEをそんな風に見ているし、すごく好きです。という話でした。