足跡の中を旅してる #006 / Chappie "Welcoming Morning"
1999年発表の曲。Chappieはグルーヴィジョンズというデザイナー集団が手がけていて、当時いろんな媒体に使われていたキャラクター(PVにもずっと映しだされている、顔だけ同じで髪型や服を無限に組み替えていく、アバターのようなキャラのすべてがChappie)で、そのChappieがCDを出すことになった、というちょっと風変わりなコンセプトのモノでした。
そういったキャラクターのコンセプトに合わせ、Chappieは1曲ごとに歌う人も違えば曲を作る人も次々に変わっていく、また、曲を作った人達のクレジットは公開されるけど誰が歌ったのかは公開されない、という形での作品発表が行われていました。ちなみにこの曲はプロデュースはpal@pop、他にも草野マサムネ、小西康陽、福富幸宏、細野晴臣、川本真琴、ROUND TABLE、井上陽水、森俊彦(=ajapai)などなどキテレツにして超豪華なメンバーが寄ってたかって集まり、後に1枚のアルバムが出ています(「NEW CHAPPIE」)。これは本当に20世紀最後の金字塔クラスの名盤なのでどこかで見つけたら保護して聴いて欲しいです。いい曲しかない。
ちょっと話はそれましたが、そういう能書きは全て抜きにしても、初めてこの曲を聴いた時の単純に「すごすぎる!」っていう、ぶっ飛ばされた感じは今でも新鮮に残ってるし、今あらためて聴くと「実在しないキャラクターの楽曲を、その時代の人気のクリエイターが(匿名的に)手がける」という手法や、それに乗せる音楽に(アニソンやアイドル的な流れの中の伝統的なタイプのアレンジではなく)その時代の新しめの音を取り入れていく感じなど、現代のPerfume/初音ミク/元気ロケッツ/きゃりーぱみゅぱみゅ、あたりの音楽の系譜に対する、早すぎた先駆者だったのではないかと思います。
言い過ぎ?いやいや、それくらい今聴いても色褪せない名曲。