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映画「マインド・ゲーム」/「元気が出た」の、その向こう側へ

京都みなみ会館へ、「マインド・ゲーム」という映画を観に行ってきました。

 

もともと自分は映画もアニメもほぼ見ないに近いくらい疎いし、今回も「ものすごいプッシュしている人が居るし*1、きっと面白いんだろう」くらいの興味本位で、ほぼ予備知識は一切入れない状態でいきなり行ってみた。だからこの作品の公開当時(2004年)にはこの作品の事は一切知らなかったし、当時どれくらいの範囲でどの程度の影響があった作品なのかも、未だに全然把握してなかったりします。

 

そんなレベルで、とりあえず作品に身を任せるように、一気に約2時間の上映を経て。

 

うわあ、完全にヤラれたなあ、、、、、と思いながらフラフラと帰ってきて、どうにかこの感じを残そう、それで願わくば次に誰か観に行ってくれないかな、と思ってブログを打ってる。

今はそんな状態です。

 

とにかく作品自体の解説は難しいです。ただでさえ自分は映画評なんて出来ないし、そもそもコレは未見の人に出来るだけストーリーなどは何も説明したくない、多分何も知らない状態から見始めて、2時間ずっと「次はどうなるんだ!?」「最後はどこに向かうんだ!?」っていうのを楽しみにしてもらいたいタイプの話だし、そういう作品だと思います。

ただ、とにかく、約2時間ずっと、スクリーン狭しと物凄い情報量が溢れだしていて、ただそれを目で追ってるだけでも十分楽しいけど、それら全体がひとつのメッセージを発していて、最後にソレが怒涛の勢いで見る人に降り注いでくる。そんな感じ。

単純にその約2時間の映像体験だけでも十分に楽しいし、きっとコレはこういうのが好きな人には絶対に楽しいし、きっと何か得るモノになる。そういう風に思える作品でした。

 

作品のメッセージ(少なくとも、自分がそう感じたもの)としては、そこまで珍しくはないかもしれない「人間が生きていくことに対する肯定」みたいなのがひとつの大きなテーマであり、メッセージになっている作品です(多分)。基本的には、この映画を観ることに対する効能は、「すごく生きていることが肯定される」「ものすごく何か、自分のやりたいことをやりたくなる」「ひたすら手数の多いお笑いのネタを見たあとのような充実感が脳に残る」「とにかく気分がアッパーになる」みたいなタイプの作品と呼んでいいと思います。

なので、極端な話、今すでに気分はアッパーであり、生きていることに対して十分に幸せを感じていて、やりたい事もやれている、間に合ってます!って人には、改めての必要はないかもしれないです。ただ、今ちょっとそういうのが間に合ってない、ちょっと背中を押されたい、そういうタイプの新しい刺激がちょうど欲しいな、と思ってる人は、絶対に!観て損はないやつだと思います。ホントに!

 

別にこの映画に限らず、「何かをやろうとしている人の背中を押すタイプ」「人間が生きていくことに対して肯定するタイプ」の芸術やエンタメ作品っていうのは、映画でも音楽でも文学でも、古今東西に無数にあると思います。それこそ近年で有名なところでは「全肯定ソング」の異名も持つウルフルズの「ええねん」でもいいし、別にニコ動のヒット曲でもGReeeeNでもAKBでも何でも、各々に自分が良いと思えるものなら何でもいいし、映画や文学でもそういうタイプの名作は挙げていけばキリがありません。そして、この作品もそういうタイプの作品のひとつ(ただし、それらの中でもトップクラスに濃度の高い、即効性のスゴいやつ)に数えても間違いでないと思います。

ただ、長い人生の中でそういうのをただ惰性で消費して、惰性で「落ち込んでいたけど元気が出た」「頑張ろうと思った」と感想を述べているだけではちょっと勿体ないし、「元気が出た」「頑張ろうと思った」のその向こう側に行くかどうか、その先に行って自分が何をするかは結局は誰も教えてくれないし助けてくれない、自分次第だし、結局そこの部分でまたつまづいて戻ってくることも人生では少なく無いと思うんですけど(っていうか大概の人が人生の大半でそんなもんだろうし!)、そういうレベルで挫折を感じた時に、この映画のラストで見せる怒涛のシーンは、ちょっとした突破力を与えてくれそうな。そんな感じがしました。

上映期間は今週の金曜まで、時間は21:10~22:50の1回のみ、映画館の場所は京都の東寺の近く、とやや時間と場所が限られてはいますが、可能な方はぜひ一度足を運ばれて、この感じを誰か味わってくれないかなあ、絶対に損はさせないんですけどなあ、って感じです。

 

あとは、最後にちょっとだけマジメな、作品の周辺の部分の個人的な感想を(ネタバレにならない範囲で)。

まず、主な登場人物の声優を吉本興業の芸人さんが担当しているんですが、ぐっさんこと山口智充さんや、藤井隆さんの演じ方がとても巧く、芸達者な面を見せていることはイメージ的にもそこまで意外でもないし、ヤクザ役での吉本新喜劇の中條健一さんや島木譲二さんはもはや完全に「配役の時点で当たってる」というか、もはや新喜劇の時のあのテンション、あの胡散臭さと関西弁をそのまま持ってきただけで完成しているくらいの勢いなんですが、それらはともかくとして、主役の西くんの声を今田耕司さんが担当してるのがメチャクチャいいなと思いました。少なくとも自分は今田耕司さんにはそこまで役者や声優のイメージはなかったけど、本人の人柄やイメージと主人公のキャラが遠からず一致していることもあり、この作品では物凄く「もはや今田さん以外に考えられない」くらいのマッチ感を生み出しているように思います。

次に音楽。音楽の担当は山本精一さん(ex.ボアダムズROVO羅針盤想い出波止場etc.)という事で、個人的にはもっと難しい音楽、ちょっと常人にはとっつきにくい系の音楽が来るのかなと思ってたら、全然そんな事無くて、ずっと作品のポップさに寄り添った、これもまた情報量が多いけど楽しいタイプの音楽だな、って感じでした。

あとは映像。とにかく最初から何度も、バカの一つ覚えみたく「情報量が多い」と言ってますが、ホントに情報量が多い!それに尽きます。約2時間ずっと、ありとあらゆるパターンで、ひたすら自由に色んな形の映像が飛び出してくる。見せ方自体が斬新で面白いものや、情報量の多い画面の中にコッソリとギャグが隠れているようなやつ、映画やアニメにありがちな表現をあるあるネタ的に持ってくるタイプ、etcetc、とにかく次から次へと押し寄せてくる「そんな見せ方もする!?」っていう驚きの連続だけでも十分に満足だったし、今もなんなら早くもう1度また見たいくらいの気持ちで居ます。

 

まあ、とにかく、なんていうか面白かった!

メチャクチャ面白かったし、このアッパー感はひとりで消化しきれないし、このまま静かに上映が終わっていくのは凄く勿体無いので、誰か観に行きませんか!

重ね重ねになりますが、まあとにかく、そんな感じです。(・w・

*1:『昭和クッキー大演説』のみよしさん http://blog.livedoor.jp/scd_nom/ ありがとうございます!